Echos of Yesterday
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バッドフィンガー:

悲劇のアルチザンが遺した美しく抒情的な旋律

1960年代末から1970年代初頭にかけて活躍したこのウェールズ出身のバンドは、ビートルズによって設立されたアップル・レコードの最初の「発見」であり、その音楽はビートルズのそれに最も近いと言われていました。

バッドフィンガーの音楽は、ポール・マッカートニーが作曲した「Come and Get It」のヒットで始まりました。この曲はビートルズの作品でありながら、バッドフィンガーが自分たちのものとして完璧に演じきり、ビートルズ後期のポップセンスを受け継いだバンドとしての地位を確立しました。その他にも、「No Matter What」や「Day After Day」といった楽曲は、ビートルズからの明らかな影響とオリジナリティが絶妙に融合したポップ・ロックのクラシックとして愛され続けています。

しかし、ビートルズの影に隠れがちながらも、バッドフィンガーは独自の音楽的アイデンティティを確立していました。彼らの曲には、ビートルズに影響を受けながらも、バッドフィンガー独自の痛切な感情が込められており、ピート・ハムやトム・エヴァンズの率直で心に響く歌詞は、聴く者の心を強く打ちました。

その成功にもかかわらず、バッドフィンガーの物語は悲劇的なものでした。バンドはマネジメントの問題や金銭的なトラブルに翻弄され、結果として、ピート・ハムとトム・エヴァンズの悲しい自死によってその歴史が終わりを告げました。この悲劇は、ジョン・レノンやジョージ・ハリスンの早すぎる死を思い起こさせ、ビートルズとの運命的なつながりをさらに強固なものにしました。

バッドフィンガーは、ビートルズが築き上げた音楽的遺産を継承しながらも、独自の悲しみと希望、愛と喪失を描き出したバンドでした。ビートルズとの比較は避けられないものでしたが、彼らの音楽は独立した美しさと力を持っており、今日においてもなお新たなリスナーを魅了し続けています。バッドフィンガーの音楽は、ビートルズの光を浴びてその影を歩みながらも、彼ら自身の輝きを放ち続けているのです。

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